東沖一本釣りかつおの藁焼きはじめました ~近海と遠洋のかつおの違い~
3年ほど前から作り始めたかつおの藁焼きはおかげ様で大変好評をいただいております。
最近また新しい原料で作ったかつおの藁焼きがあるので今回紹介させていただきます。
当店が仕入れるかつおには2種類あり近海の生かつおと遠洋の冷凍かつおがあります。
今まで販売してきたのが近海生かつおですが、冬の時期は漁がなく作ることができないため遠洋の冷凍かつおを使用して藁焼きを作っています。
近海生かつお
まず近海生かつおは駿河湾内や伊豆諸島周辺で獲れた生鮮(冷凍されていない)かつおです。4-5月ごろに獲れる初鰹もこれにあたります。焼津では初鰹の時期だけまとまって揚がりますが、ほかの時期はあまり獲れません。焼津は冷凍鰹がほとんどのため、近海生かつおは貴重です。
製造方法
セリで購入した後に捌き、その日のうちに藁を使って焼き上げています。これも機械ではなく数本ずつ焼き網に乗せて手作業で焼いています。焼いた後は真空パックし、-60℃のアルコールの中で急速凍結します。こうすることで解凍した後もドリップが少なく、身の色は鮮やかで、生のようなプリっとした食感があります。この冷凍技術で冷凍とは思えない、生そのもののようなかつおの藁焼きを実現しているのです。
遠洋冷凍かつお
今回作り始めたのがこのかつおを使った藁焼きです。遠洋漁業の港である焼津港はこの冷凍鰹の水揚げが日本一。遠いところでは南極近くの海まで行ってかつおを獲って、船内で凍結し、鮮度を保った状態で水揚げします。
冷凍鰹にも種類がありますが、当店が仕入れているのが東沖一本釣りかつおです。
東沖とは三陸沖よりもさらに東の海で、秋の戻り鰹の漁場です。一本釣りはかつおを釣り上げて生きた状態から凍結しているので鮮度は抜群。お刺身用のかつおです。
藁焼き体験や主力のなまり節もこのかつおを使っています。
製造方法
冷凍鰹を解凍せず、バンドソーという電動のこぎりのようなものでかつおを解体し、柵(節)にしていきます。ここまでは外部に委託していて冷凍の節になった状態で仕入れています。
冷凍の節を自社工場で表面だけを藁焼きにし、中心部まで解凍しないうちにすぐに冷凍庫で凍結させます。一番の特徴は脂ののり。焼津産のかつおのたたきは原料の価格を抑えるため脂ののっていないかつおで作られていることがほとんどですが、当店では東沖一本釣りかつおにこだわって脂ののったおいしいかつおをお届けしています。
どちらも最後には冷凍しているので同じように見えますが、脂ののりと風味が全然違います。でもどちらにも良さがありますので、春夏の近海生かつおと秋冬の遠洋冷凍かつおそれぞれの違いを楽しんでください。
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